RIO TAKAGI
髙木理緒
卒業校 :赤羽北桜高等学校(全日制)
卒業学科:介護福祉科
卒業年 :2024年
職業 :大学生(日本社会事業大学 社会福祉学部)
小学生のボンランティアの経験から福祉の道に関心をもち、高校で介護・福祉を学べる母校への入学を決めた髙木さん。
学校の第1期生として、試行錯誤しながらも、様々なことに果敢にチャレンジした高校生活でした。
髙木さんが高校生活で得たかけがえのない経験や、今後の目標について、お話ししてもらいます。
大学での手話サークル活動
髙木さんの今の大学生活について教えてください。
高校で学んだ福祉の基礎や福祉施設での介護実習をベースに、
地域福祉が抱える社会課題への対応を考え、解決を目指す
日本社会事業大学の社会福祉学部で、福祉分野の中でも社会福祉サービスに関する制度・政策などを学び、行政の手が届きづらいような、現代の幅広い社会問題にアプローチできるような学習を行っています。
また、学部での勉強以外にも①手話サークル、②地域のボランティアサークル、③ボランティアの企画を行うサークル、④オレンジリボン(子どもの虐待防止を訴える)運動に係るサークル、⑤学生生活向上委員会の5つのサークル活動や、①放課後等デイサービス、②障害がある方の自立のためのグループホーム、③飲食店でのアルバイトの3つのアルバイトなどを行い、忙しくも、充実した大学生活を送っています。
学外での活動については、特に手話サークルに意欲的に取り組んでいて、地域の小学校に出向き授業を行ったり、イベントを行ったりしています。
(左)社会福祉・介護福祉検定、
(右)介護福祉士
ご出身の都立赤羽北桜高校の特色や魅力は何でしょうか?
高校在学中に国家資格の取得ができ、それを可能にした先生たちによる充実したサポート
大きく分けて、2つあります。
1つ目は、国家資格である「介護福祉士」の資格が取得できるところです。
このような専門的な国家資格が高校在学中に取得できる学校は多くないため、非常に魅力的だと思います。
2つ目は、先生のサポート体制が充実しているところです。
私が在籍していた介護福祉科では、みんなが「介護福祉士」の資格取得を目標に頑張って勉強して、学科全員が合格を勝ち取りました。
「介護福祉士」の資格を活かすということが根底にありつつも、生徒全員の将来の目標は、看護師、理学療法士や家庭裁判所の職員など十人十色で、人によって様々な目標がありました。
そのような中でも、先生は生徒一人ひとりの異なった進路・目標に対して、どうしたら実現することができるか、相談などに乗ってくれて、きめ細かくサポートしてくれたことが凄く記憶に残っています。
普通科高校と異なり、介護福祉科という専門学科であったため、座学以外の実習も多く、自然と先生との距離が近かったことから、このようなきめ細かなサポートを受けられていたのかなとも思っています。
きっと、これは介護福祉科だけではなく、赤羽北桜の調理科、保育・栄養科の2科についても同様なことが言えると思います。
髙木さんは高校生活にどんな思い出がありますか?
第1期生というなかで試行錯誤しながらも、様々なことに果敢にチャレンジした高校生活
普段の授業、実習、検定試験・国家試験対策や部活動など、全てに思い出があります。
私が赤羽北桜高校の1期生であったため、部活動や学校行事を行うにも、過去の実績がなく、全て最初は手探りで実施する必要があり、大変でした。
私は、地域のボランティアを部活として取り組みたいと考え、1年次に「社会福祉部」を創設し、部長として活動していました。
社会福祉部では企画力・協調性・社会参画力などを身に付けることができるよう地域のボランティア活動や外部の大学などと積極的に連携を行っていました。
1年生の時から介護福祉士の試験対策ではないのですが、社会福祉・介護福祉検定などの検定試験の対策は実施していました。これも今考えると、介護福祉士の試験対策に通じるものがあったかと思います。
福祉施設での介護実習では、やはり学校での学びだけでは十分に対応できず、力不足を感じることがありました。もっと、技術を高めたいという思いから、友達と1限前の朝に、着替え補助や排泄補助などの練習をしたのも思い出に残っています。
介護福祉士の受験対策においても、初めて国家資格を受験するため、どのように勉強を進めていけば効率的なのかなど分からないことが沢山ありました。模試を受験してみたり、友人とのゼミを実施してみたり、色々なことを自分、友人、そして先生で試行錯誤しながら、全員で介護福祉士の合格を勝ち取ったことも、とても記憶に残っています。
高校生の際に行ったボランティア活動
進路を決定するきっかけとなった出来事などを教えてください。
小学生の時に参加したボランティアのなかで、普段の日常生活の中にも、色々な課題が潜んでいることを実感
だいぶ昔の話になるのですが、小学生の頃に地域のボランティアに参加したことがきっかけになっています。
そのボランティアは、介護・福祉とは少し性質が異なる「地域のごみ出しボランティア」のような内容だったのですが、そこでは、全く知らなかった地域の課題がありました。
具体的には、私たちが日常的に行っている”ごみを出す”という行為についても、誰もが簡単に実施できるものではなく、場合によっては手助けが必要で、少し手を差し伸べるだけで、その方たちにとっては、ものすごく助かるものであり、生活が楽になるというものであるということを知りました。
この体験から、私は、福祉の制度や法体系を学習しつつも、地域福祉や地域コミュニティが直面する差別や福祉制度の「狭間」にいて、行政の手が届きづらい個人が抱える生活問題について、より深く学習し、解決に向けて取り組みたいと考えるようになりました。
高校で学んだこと、身に付けたことが、今の大学生活で活かされているなと思うことはありますか?
高校時代に培った経験が活かされている、現在の大学での学び
沢山あります。
今は、大学で福祉計画を専攻していますが、やはり高校での介護実習などの経験が大きいと感じています。現場での技術や対応もそうですが、福祉の現場で培った「コミュニケーション力」なども、今の学びはもちろん今後の社会生活の中でも活きてくるのかなと思います。
また、高校と大学の学びでリンクする部分もあり、高校で学習した知識や経験があるからこそ、大学での学びにスムーズに入れていると思います。
高校でも社会福祉制度の概要などについて、学習してきたのですが、大学ではその制度概要以外にも、制度趣旨の詳細な部分、制度創設の背景や歴史など、より深い内容を学習しています。
私が大学の専門的且つ高度な内容の講義にも比較的スムーズについていけるのは、母校での学びがあったからだと感じています。
北区が主催したステップアップ研修にも
スタッフとして参加
髙木さんの今後の目標や夢について、教えてください。
小学校からのボランティア活動や高校・大学での学びを通じて、誰一人取り残されることがないような、みんなで生きる地域社会の実現へ
これまでのボランティアの経験や現在の大学での学習を活かし、一人ひとりが抱える困難に、真摯に向き合うことができるソーシャルワーカーを目指すとともに、将来的には、社会を俯瞰できる広い視野をもち、社会福祉協議会で、「地域福祉活動計画」の作成などに携わりたいと考えています。
小学校の頃のごみ捨てボランティアの体験がきっかけで、この福祉の世界に関心をもち、高校・大学で学習を進めてきました。
高校で取得した「介護福祉士」の資格や介護実習で体験した現場での経験も、間違いなく私の強みになっているかと思います。
また、放課後等デイサービスのアルバイトでの経験を通じて、精神障害がある方やその家庭への支援にも関心をもちました。日本は海外と比較して、精神分野の福祉が遅れていて、海外であればソーシャルワーカーが担える業務も「精神保健福祉士」の資格がないと行えないものもあります。精神障害がある方・その家族へのサポートに従事するために、「精神保健福祉士」の資格を取得できるよう勉強を進めています。
高校時代に作成した
「まとめノート」
高校在学中に心がけていたことはありますか?
コツコツと積み上げた勉強と弱点克服のための「まとめノート」
高校1年生の段階から、基礎的な勉強にコツコツと取り組んできました。
例えば、福祉関係の科目であれば、定期テストで90点以上を目指すなど、普段の高校での学びが最終的に国家試験につながることを意識して取り組んでいました。
また、自分の不得意な分野や要点などを整理した「まとめノート」を作成し、このノートを基に、不得意分野の克服や要点にフォーカスした学習計画を立て、スケジュール管理を行っていました。
このノートを作成してから、成績が伸びた分野では、そのまま継続して学習を行い、あまり上手くいかなかった分野は、どうしたら上手くいくのかを考え、自分なりに試行錯誤しながら、勉強に取り組んでいました。
赤羽北桜高校には、私が志望していた日本社会事業大学の指定校推薦枠が無かったため、日々の勉強もメリハリをつけて、頑張りました。
赤羽北桜高校に向いている人はどんな人でしょう?また学校を選ぶポイントは?
明確に自分の目標が定まっている人と、人や社会の役に立ちたいけど、その中でやりたいことを探している人の両方に向いている学校
自分の目標・進路が明確に決まっている人には、特におすすめです。
目標・進路が決まったうえで、入学すれば、先生のサポートも手厚く、必ず実りの多い学校生活になるかと思います。
また、明確な目標が定まっていなくても、例えば「人の役に立ちたい」、「社会の役に立ちたい」などの目標があれば、将来の自分の夢や進路を決めるヒントを、赤羽北桜高校では見つけることができるのかなと思います。
介護・福祉関係の仕事は、将来的にAIなどが発達しても無くなることがない仕事かと思いますし、そういった観点からも、介護・福祉関係の仕事のニーズは今後より一層高くなるはずです。
また、赤羽北桜は令和3年に設立された学校であるため、学校の設備も綺麗で充実していて、とてもおすすめです。
赤羽北桜高校の入学を志望する中学生へのメッセージをください。
赤羽北桜ならではの専門学科(①介護福祉、②調理、③保育・栄養)の特性を活かして、普通科にはない、専門的な学習にチャレンジして、将来を切り拓いてみよう
赤羽北桜高校の専門学科は普通科にはないメリットがあります。中学までの国語、数学、英語などの勉強に苦手意識を持っている人もいると思いますが、赤羽北桜高校では自分の興味・関心に応じて専門的で実践的な勉強ができるので、とても面白いと感じると思います。
私の在籍していた介護福祉科では、卒業時にみんなで介護福祉士の国家資格を取得したため、一体感も味わうことができました。
介護福祉科に入学すると、なんとなく卒業後はみんなが介護福祉士として働くというイメージを持たれるかと思いますが、介護福祉の資格を持ちながら、看護師や作業療法士としての活躍を目指し、進学する人も多くいますので、無数の可能性が広がっているかと思います。
介護福祉科や他の調理科、保育・栄養科も含めて、赤羽北桜はとても魅力的な学校なので、是非、一度説明会などに参加してみてください!